|
徳川家康像(永嶋孟斎筆、築土神社蔵)
かつて築土神社境内には築土明神の末社として東照宮が置かれていた。徳川時代初期の江戸城内(千代田区)には紅葉山(本丸付近)・二の丸・天守閣下にそれぞれ東照宮が築かれていたが、当社はこのうち二の丸にあった東照宮を1654年(承応3年)2月に拝領して境内に移築。徳川幕府の祖・家康之霊を祀った(もっとも、この東照宮は昭和20年に焼失したまま以後再建されていない)。
徳川家康は、天文13年(1543年)、三河国(現・愛知県)の大名・松平広忠の長男として生まれた。幼名・竹千代(たけちよ)。 幼少期は駿河国(現・静岡県)の大名・今川義元の人質として苦渋の日々を過ごす。永禄3年(1560年)今川義元が桶狭間の戦いで織田信長に破れ討死すると、今川軍が放棄した三河の岡崎城に入り、今川氏から自立。天正18(1590年)に豊臣秀吉とともに関東の北条氏を滅ぼすと、本拠を江戸へ移し、その後、「関が原の戦い」を経て慶長8年(1603年)、江戸に幕府を開く。大阪の陣で豊臣氏滅亡した翌年の元和2年(1616年)、74歳で没した。死後は「東照大権現」の神号を賜わり、日光をはじめ各地に祀られている。
|
|